事故と損害賠償請求権
損害賠償請求権の消滅時効
交通事故による損害賠償請求は、事故の発生した日から3年(保険会社については2年)で時効となります。
過失相殺とは
過失相殺とは、交通事故の発生原因が被害者にもあると考えられる場合に公平に責任の負担を分担するために加害者の損害賠償額から被害者の過失の割合を減額することです。 どの程度被害者が過失の割合に応じた金額を負担するかは事故の状況によって様々ですが、一般的には道路交通法に定められている優先関係、遵守事項、公平の理念に照らして判断します。
休業補償とは
休業補償とは、通勤中又は仕事中に負傷した場合で仕事ができない状態が続くために補償されるものです。 交通事故で負傷して、その間に仕事ができなければ休業補償を請求することができます。 ただし、就業先から賃金等が支給されていれば休業補償は請求することはできません。 支給される金額は下記の通りです。(弁護士会基準に基づく)
(会社員の場合)
事故前の3ヶ月の収入を平均して1日における平均賃金を算出します。 そして、平均賃金に休業期間の日数分をかけた金額が休業損害です。
具体例
28歳の男性会社員で月収が25万円あり、事故により休業期間が4ヶ月を必要とした場合
事故前の3ヶ月の収入の平均25万円×3ヶ月=75万円 75万円÷90日(3ヶ月)=8333円 休業期間が4ヶ月だったとすると8333×120日(4ヶ月)=999.960円 従って99万9960円が休業損害ということになります。
(自営業者の場合)
前年度の確定申告の所得を基準に算出します。 実収入が申告額よりも多い場合には、あらゆる資料を集めて証明する必要があります。
具体例
飲食店を経営している40歳の男性が事故により店の休業を2ヶ月余儀なくされた場合 自営業者の場合にはその月によって売上収入が変わります。
事故前の3ヶ月の収入が30万、25万、40万だったとします。 (30万円+25万円+40万円)÷60日(2ヶ月)=15833円 休業期間が2ヶ月だったとすると15833×60日(2ヶ月)=949.980円 従って94万9980円が休業損害ということになります。
(主婦の場合)
家事労働の場合でも賃金センサスによって算出します。 実収入又は女性労働者の平均賃金の多い方を基準とします。
具体例
45歳の専業主婦の場合 収入がなくても賃金センサスによって算出します。
女性の45歳の平均収入が296.500円ですので、これを基に1日における平均賃金を計算しますと、296.500円÷30日(1ヶ月)=9883円となります。 15日間病院に入院したような場合には、9883円×15日=148.245円 従って14万8245円が休業損害ということになります。
(学生の場合)
アルバイト学生のように継続性のある仕事をしていた場合には事故前の勤務状況などを考慮して、賃金センサスによって算出します。 具体例 アルバイトをしていた19歳の大学生が事故により10日間の怪我で入院をした場合 時給800円で1日5時間、月15日働いていたとします。 800円×5時間×10日=40.000円 従って、4万円が休業損害ということになります。 (無職、幼児の場合) 無職、幼児には休業損害は認められません。 賃金センサス賃金構造基本統計調査のこと 労働者の種類・職種・性別・年齢・学歴・勤続年数・経験年数等を明らかにして賃金構造の実態を詳細に把握することを目的とします。
弁護士に依頼した場合の解決例
CASE 1
交通事故により後遺障害が生じた会社員のAさんは、保険会社から400万円という提案を受けました。 しかし、弁護士が調査し交渉した結果、1300万円まで金額が上がりました(保険会社側から提案された金額の約3倍)
CASE 2
交通事故で傷害と後遺症を受けた主婦のBさんは保険会社から300万円という提案を受けました。 これは、家事が十分にできなくなったことを認めない算定です。 しかし、弁護士が調査することで家事が十分にできないことを算定するように交渉した結果、1500万円まで金額が上がりました(保険会社側から提案された金額の約5倍)。
これらの例からもわかるように保険会社の算定基準は、裁判例の算定基準よりもかなり低く見積もる傾向にあります。 従って、すぐに保険会社の示談に応じることなく専門家である弁護士に相談することが必要です。
